paraiso and 天国

paraiso:
戦国時代かな――？　日本へ異国の人間が出入りしていた頃、パラダイス(天国)という言葉を、日本人はパライソと聞き間違えたらしい。


天国――。それはこの世にもあの世にも実在はしていないけれど、人間の心の中に存在する天国があっても良いと思う。多くの人は、天国という抽象的な存在を求める。それは古代から人間が求め続けた世界。

ただし、天国へ逝くには条件があった。

人を傷つけてはいけない。
嘘をついてはいけない。
愛は求めるものではなく与えなくてはいけない。

など――、様々な事柄がある。

私が、全ての宗教に入信も信仰もしない理由は、それらの条件が人間の真髄ではないと思えるから。
誤解しないで欲しいけど、決して宗教や信仰をばかにしている訳じゃない。それに否定するつもりもない。
宗教や信仰が必要な人は、世の中にたくさん存在しているし、命の重さと同等に捕らえている人も存在している。だから、大切だと思える事を否定する意味で書いていない事だけは理解してもらいたい。


私は今までたくさんの人を傷つけたし、嘘もついた。それに愛を与えずに求めたこともあった。
けれど、私は思う。その時の精一杯が、人を傷つける事や、嘘、求める愛などになるのではないかと。
つまり、生きていれば人は罪を犯す、それが人間だと思う。
そして、過去を懺悔することも悔いることも生きていく上では必要なことだよ。じゃぁ、今は？明日は――？過去を引きずりながら生きていく事は、今を生きていない。そう思うの。 汚い気持ちがあるのに出してはいけない。そう、思うこともいけない。
これは正しいことなのかな……。私は賛成はできないよ。だって、汚い気持ちを否定してしまったら、自分が自分では無くなってしまうもの。
現実的によくよく考えてみると、汚い気持ちにも理由があるんだよ。例えば、兄弟喧嘩。お兄ちゃんが弟をいじめた。結果的にお兄ちゃんは怒られる。それは大人から見た視線。兄弟同士だと、２人で遊んでいる時、弟がお兄ちゃんへふざけながら嫌味を言っていた。お兄ちゃんは、今は仲良くしていたいし、遊びたいから黙っている。つまり、感じてないフリをしている。
所が、そこへお母さんが来て「おもちゃが散らかっているから、片付けなさい」と、言った。弟は、お母さんが喜ぶコツを知っていて、いつもはやらないくせに片付けを率先してやった。それを見ていたおにいちゃんは、我慢の限界がきて、弟の片付け(＝弟だけが、お母さんに褒められる)事を、妨害した。
結果的に、お兄ちゃんは“片付けをしない”＋“弟をいじめた”と――、お母さんに怒られる。
そういう風に、子供でも大人でも汚い気持ちには必ず理由がある。例え、その理由がどんなに理不尽だとしても、理由は存在しているんだよ。
この状況で起きた兄弟喧嘩の時、お兄ちゃんに対してお母さんが怒りすぎてしまうと、“僕はいじわるなんだ＝いじわるはお母さんに嫌われる”と、思い込むことがある。すると、出せなくなった“いじわるな自分”は、心の歪みとなって存在するようになる。
もしも、どうして喧嘩になったのか？を聞くことを止めずに続けていれば、いつしかお兄ちゃんは成長と共に、いじわるはいけない。と、気が付いて、いじわるな気持ちが思いやりに変化していく。

ちょっとだけ、仕事的な説明になってしまった……(苦笑)

話を戻すけど――、私が宗教も信仰もしない理由は、心が不健全になること(注:これは私の場合の事です)を、あえて取り入れる必要性は無い。と、思っているし、汚い自分を知らないと真の思いやりも持てないと考えるからなんだ。
それに、人間なんだから、その方が味があってよいと思っているしね。

ありのままの真実を受け止めて生きていく事が、本当の天国だと考えている。
それに、天国は現実の今という時にしか存在していない。未来にも過去にも存在していない。だって、生きているのは今この瞬間なんだから。
普段は地獄のように思える生活をしていたとしても、時折、天国に存在できればそれで良いと思ってるよ。
毎日が天国じゃ有り難味も無くなるけどね(笑)







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• 2008/03/29 Sat.