誰にでも、怒りのツボはある。
そのツボは地雷という名の爆薬があるから、踏まない方が懸命だったりする。
その私の地雷をたまたま踏んづけてしまったヤツが居た。
(A) 「Bのやっていることってストーカーじゃないの」
(私) 「え、どうして。それは違うよ」
という切り出しから始まったお話なのだけど、私は前々からAの中で起こっている事情を自分以外の第三者に置き換え、というか、棚に上げてとも言うべきか。そう、棚に上げているくせに、誰かが同じような心理で事を起こすと思いっきり「非難」する。
それって、おまえ酷いぞと、ずっと思っていたのだ。
で、私はBのやっていることが、行動だけ見たらストーカーだが、ストーカーの心理というものを付け加えて考えれば、いいや、全く持って違うね。ストーカーなんかじゃないよ。ということを理解していたから、それをAにいった。まあ、事詳しく説明をしてみたのだ。
それでも尚、Aは「Bが腹いせ」をしているんだろということを言ってきた。
ああ、あなた。それは私の地雷よ。
踏んでしまったのね。
私は地雷の爆破と共に爆発した。
まあ、ちっさい爆発だけどね。
どうして、Aがストーカーではない。という話を聞いたのに「腹いせをしている」と、思えたのか。そして、思えた理由は、あなたの中での不始末を誰かのせいにしてしまうあなたの癖が、そういった考えや物の見方になっているのよと――、
一気に、思っていたことをのたまい、説明をした。
ほいでもって、おまえさんは、そうやって、身近な人間に剣を持ち何度も傷付けている。嘘つきが嘘つきをわからないように、おまえさんも誰かを無闇に傷付けているのがわからないんだね。
つまり、おまえさんとBは同じ穴の狢(むじな)ではないのだよ。そんな意識レベルでBは生きちゃいない。
当然、Aはぷるぷるそわそわしたよ。で、もういい。そう言って去った。
まあ、Aが自分のことを棚に上げて云々というその状況じゃなく、Aの中でのただの疑問だったのなら、私は地雷とかそんなんじゃなく、ただただ議論に参加しただけで済んだろうね。
Aとしたら、Bには勝っていた気でいたはず。歪んだ余裕というヤツだね。
でもね、Bは、腹いせでも何でもなく、別次元の境地へ達していて、ある意味Aを抜かしている。
その事実を付きつられた上に、自分の不祥事を暴かれ、しかも、私に見抜かれていたことの恥ずかしさと入り混じったのかもしれないね。ま、その辺はAにしかわからない事情というもの。
なんにしても、私の地雷を踏んだAは木っ端微塵になってしまった。かわいそうに。
…その程度の口喧嘩でAとの関係がダメにはならない。
なんせ、信じているから言えたことだし。
これが、打ちのめすためだけのものなら、私の持てるありとあらゆる知識を巧妙に選別し、冷酷に叩きのめしてしまうのだろうが、私の中で、愛の在る相手にはやらない。ま、愛が無くなってしまえば別だろう。それは私じゃなくても共通する人間もいると思うのだ。
だとしても、自分が歪んでいるから、誰かも歪んでいて当然ではないし、そう思うことは醜いよ。ま、それを伝えてもAが理解できる相手だったからというのは言うまでも無い。
だけれども、やっぱ汚い気持ちは善くないよ。
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